タクロリムスの効果や成分

タクロリムスの効果について

タクロリムスは、カルシニューリン阻害薬に分類される免疫抑制剤です。
本来、免疫は細菌やウイルス、異物などから体を守るための自然な防衛システムですが、臓器移植の際には拒絶反応の要因となってしまいます。
タクロリムスには、免疫に関与する細胞でのサイトカインの生合成や分泌を抑えることで、キラーT細胞の誘導を抑えて、免疫反応を抑制する効果があります。
それにより、腎移植、肝移植、心移植、肺移植、膵移植、小腸移植などの臓器移植後の拒絶反応や、骨髄移植における拒絶反応及び移植片対宿主病の抑制を予防します。

また、免疫の異常によって引き起こされる重症筋無力症の症状改善にも効果が期待できるお薬です。
その他、免疫系が関わる膠原病の一種であるリウマチ、全身性エリテマトーデス(ループス腎炎)や潰瘍性大腸炎などにも有効とされています。
ただしこれらの疾患に対しては、標準治療薬で効果が十分出ない場合や、副作用で標準治療薬が使えない場合にのみ用いられます。

タクロリムスの成分について

タクロリムスの成分であるタクロリムス水和物は、筑波山麓の土壌で見つかった放線菌の代謝産物から作られた成分です。
カルシニューリン阻害薬に分類され、他の系統の免疫抑制剤と比べて骨髄抑制にともなう血液障害が起こりにくいという特徴があります。

タクロリムスの使用方法について

タクロリムスは移植する臓器の種類や、用いる疾患によって服用量や使用方法が異なりますので、必ず医師の指示に従って使うようにしてください。

1日1回の服用の場合、飲み忘れに気が付いた時には次の服用時間に1回分飲んでください。
1日2回服用の場合は、飲み忘れに気が付いた時にすぐに飲みますが、次の服用時間まで5時間以内の時には忘れた分は飛ばしてください。
いずれの場合も2回分まとめて飲むことはしないでください。

タクロリムスの副作用について

タクロリムスの主な副作用としては、下記の症状が報告されています。

  • 血圧上昇
  • 手足の震え
  • 下痢
  • 発熱
  • 嘔吐
  • 頭痛・胸痛
  • 腎障害
  • 高カリウム血症
  • 高尿酸血症
  • 低マグネシウム血症
  • 運動失調
  • 消化管出血
  • 肝機能異常
  • 好中球減少
  • 口渇
  • 多汗

これらの症状以外にも、普段と違った身体の異常を感じた場合には、医療機関を受診するようにしてください。

タクロリムスの注意事項について

妊娠中や妊娠の可能性のある方、授乳中の方は使用前に必ず医師に伝えてください。
他の免疫抑制剤や血管拡張剤、カリウム保持性利尿薬を使っている方は、医師や薬剤師に相談してください。
またタクロリムス使用中には、グレープフルーツジュース、セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)は摂取しないようにしてください。